チヌ釣りに興味を持った方が、まず知っておきたいのが「クロダイ」という魚。
このページでは、そんなクロダイの基本情報から、釣り人たちに長く愛され続ける理由、釣れる場所の特徴などをわかりやすく解説します。
「クロダイ(黒鯛)」と「チヌ」。
聞いたことのある方も多いかもしれませんが、実はこの2つ、同じ魚なんです。
- クロダイ…主に市場や図鑑など、学術的・正式名称で使われます
- チヌ…西日本を中心に、釣り人の間で使われている俗称です
関東では「クロダイ」、関西や瀬戸内では「チヌ」と呼ばれることが多く、地域によって呼び名が変わる面白さもあります。
クロダイはどんな魚?

クロダイは、スズキ目タイ科に属する海水魚で、やや平べったい体型に銀黒色(いぶし銀)の体色が特徴です。
大きくなると50cmオーバー(年無しと呼ばれる)にもなり、強烈な引きと頭の良さで釣り人を魅了してきました。
- 分布:北海道南部〜九州、朝鮮半島、中国沿岸など
- 寿命:約15年(環境によって異なる)
- サイズ:20〜40cmがアベレージ、50cmを超えると大物とされます
- 食性:雑食性(エビ・カニ・貝類・ゴカイ・小魚・藻類などに加え、とうもろこしやスイカなどの植物系のエサにも反応することがあります)
非常に環境適応力が高く、防波堤・河口・汽水域・テトラ帯・養殖棚の下など、さまざまな場所に生息しています。
釣り場や状況によっては、押し麦やパン、果物の皮などの変わりエサに口を使うことも。
特に釣り人が多い場所では、オキアミなどにスレてしまった個体が変化球エサで釣れることもあるため、意外性のあるエサを選ぶのもチヌ釣りの楽しみのひとつです。
なぜクロダイは釣り人に人気なのか?
クロダイ釣りは、初心者からベテランまで多くの釣り人を夢中にさせるターゲットです。
その理由は、大きく分けて次の4つにあります。
- 知恵比べのような駆け引きが熱い
クロダイはとても警戒心が強く、賢い魚です。
エサを見極める力があり、少しでも違和感を感じるとすぐに吐き出してしまうことも。
そのため、「どう食わせるか」「どう仕掛けを流すか」など、ゲーム性が高く、釣り人との駆け引きが楽しめるのが魅力です。 - 時に大胆で獰猛な一面もある
実はクロダイは、状況次第で非常にアグレッシブな一面を見せる魚でもあります。
海中でスイッチが入ったクロダイは、豪快にエサへ突進し、丸飲みするようなバイトを見せることも。
このギャップ――「繊細な駆け引き」と「豪快な食い気」が同居しているところに、チヌ釣りの深さと面白さがあります。 - 引きが強く、やり取りが楽しい
サイズの割に引きが強く、特に落とし込みや前打ち釣りでアタリを合わせたときの“ドンッ!”とくる突っ込みは、一度味わうとやみつきになります。
繊細な仕掛けに対してダイレクトに伝わる手応えは、まさに男前なチヌ釣りの醍醐味です。ただ、楽しさはそれだけではありません。
フカセ釣りやエビ撒き釣りなどでも、ハリス0.8〜1.5号程度の繊細な仕掛けを使って攻めるため、こちらもスリル満点。
特にウキが「スパッ!」と鋭く沈む瞬間や、「ジワ〜ッ…」と沈んでいく間合いを見極めるやり取りには、落とし込みとはまた違った面白さがあります。チヌ釣りは、仕掛けの種類ごとに違った緊張感と楽しさがあり、だからこそ多くの釣り人を夢中にさせてしまうのです。
- 釣れる場所が多く、都市部でも狙える
クロダイは、都市近郊の港や防波堤でも釣れる“身近なターゲット”です。
船に乗らなくてもアクセスしやすい釣り場が多く、週末だけの釣行でも十分に狙えるため、忙しい方にもぴったり。
誰にでもチャンスがあるという点でも、クロダイは人気の高い釣り魚なのです。
クロダイが釣れるエリアとは?
クロダイは潮通しのよい場所を好みますが、意外と濁りや障害物を好む一面もあります。
◆釣れる代表的なポイント

防波堤
基礎石周りやスリットのある場所が好ポイント。足場も安定していて、初心者にもおすすめです。

テトラ帯
チヌは障害物のある場所を好みます。フジツボやカニを食べに寄ってくることが多く、落とし込みや前打ちが活きるポイントです。

河口・汽水域
淡水と海水が混じる汽水域は、エサが豊富でチヌの活性も高く、特に夏から秋にかけて釣果が期待できます。

沖の防波堤・養殖棚の周辺
潮通しが良く、大型のクロダイが回遊しやすいエリア。エビ撒きや前打ち釣りで好釣果が狙えます。

磯(沖磯・地磯)
自然の岩場は、潮通し・エサの流れ・隠れ場所の三拍子が揃った一級ポイント。フカセ釣りで大型が狙えるほか、ダイレクトなやり取りを楽しむ釣り人にも人気です。
初心者の方は、まずは足場の良い防波堤からスタートするのがおすすめです。
地方名・呼び名あれこれ
クロダイは地域によってさまざまな呼び名を持ち、釣り人の間では**“チヌ”という愛称でも広く親しまれています**。
実際には「クロダイ」も「チヌ」もどちらも正しく、関東では“クロダイ”、関西では“チヌ”と呼ばれることが一般的です。
地方によっては、独特な呼び名やあだ名も存在し、それぞれの地域の釣り文化が垣間見えるのもこの魚の面白さのひとつです。
地域 | 呼び名 |
関東 | クロダイ(正式名での呼び方が主流) |
関西〜瀬戸内 | チヌ |
北陸地方 | ババチン、ババタレ |
九州 | クロ、クロブタ |
東北地方 | クログチ、チン、クロダイ |
※呼び方には地域性があるので、釣り人同士の会話で話題になることも多いです。
まとめ|クロダイ釣りの第一歩として

クロダイは、日本中の海に広く生息する、釣って楽しく、学んで奥深いターゲットです。
この記事を読んで「面白そう!」と思った方は、ぜひ次のステップとして「釣り方」や「仕掛け」もチェックしてみてください。
このサイト「クロダイNavi」では、
初心者が最初の1枚を釣るために必要な情報を、リアルな経験に基づいて丁寧にお伝えしていきます。